NPO法人 安心院いやしの里




  〜 ご 挨 拶 〜


 ” 安心院との出会い ”

 自然の中で出来る限り自給自足の生活をする、かねてより抱いてきた理想の地、これが"安心院"との出会いの始まりでした。全くの原野からスタートした新しい生活でしたが、美しい山々に包まれた萱籠の大地には大きな喜びと希望を頂きました。そして何よりも安心院町や萱籠の方々の優しさや知恵を頂き、たくさんのご協力を願いながらここまで辿り着くことができました。そうした多くの方の善意と愛情に支えられていく中で、いつしか志を同じくする方や協力者が集い、建物や施設が整っていきました。この地で暮らす私達はもちろんのこと、安心院の大自然から受けるエネルギーには無限の力があるように感じます。



 ” 若者たちとの共同生活から見えてきたもの ”

 私は安心院で暮らすようになるまでは、北九州で約30年間、大学生の食事付き下宿をしながら、これからの日本を背負う若者達と共に暮らしてきました。30年の流れの中で日本も大きく変わり、経済的には大きな成長を遂げて物質的には豊かな国と呼ばれるようになりました。


 しかし30年休むことなく常に多くの若者達を共同生活の中で見つめ、時に悩みを打ち明けられて語り合い、多くの思いを分かち合う中で、物質的な豊かさが必ずしも彼らの精神を鍛え、磨き、成長させ、強めているわけではなく、残念ながら寧ろその逆であることが多いことに気が付かされます。そして昨今の情報化社会が発達していく中で、その傾向は益々大きくなっているように感じます。物質や情報が溢れる現代では常に若者は受動的な精神状態に陥り自らが能動的に考え、感じ、決断するという、人間として最も大切であり、また喜びでもある筈の"人生"に悩み疲れてしまっているのです。その結果、各々の個性は没し、ただ"はやり"と"すたり"、他者と違うことをしていないかに過敏となり、それにさえ疲れてしまった者は心を閉ざし引きこもってしまうという現象に陥ってしまっていると思います。私は30年の間そうした若者達を微力ながら支えて今日に至りましたが、同時にそうした悩みの原因が彼らの心の中から生まれてきたものだけでない以上、言葉とコミュニケーションの力だけで解決することの難しさも感じていました。


 ” 人間の生活の原点を求めて ”


 そうした経緯の中で、私は自らが生まれ育った長崎県の五島での暮らし、すなわち「自然との共生」に何か解決の糸口があるのではないか、とも感じるようになりました。そしてある時に、ふとしたご縁からこの萱籠の地に巡り合い、予てからの夢であった、原野からの出発・・人間の生活の原点から歩んでいく、という理想を実現する機会を得ることができました。


 ” 大自然の力 ”

 この安心院町の山間にある萱籠の地には大自然のいやしの力が満ちています。
一方で自然との共生は言葉で言うほど簡単なものではありません。美しい季節もあれば厳しい季節もあります。ただそうした大自然の力に打ちのめされた時に、人間は初めて原点を取り戻すことができる・・そう実感させられる思いです。


 ” いやしの里 〜元気回復の大きな希望〜 ”

 そうしてあっという間に時が流れ、やがてここは、私の理想の地であるだけでなく、都会で暮らして多くの悩みや苦しみを持った人々にとっても元気回復の大きな希望となっていることに気が付いた頃には、ごく自然に「いやしの里」と呼ばれるようになっていきました。


 以来、ますます多くの人に支えられ、いやしの里は現在の姿へと形作られていきました。大自然との共生によって、物質や情報からは引き離された地で受動的なプレッシャーから解放され元気を取り戻し、自然や人間自身とシンプルに向き合うことで能動的なエネルギーを内面に燃やし、少しずつ個性を見つめ、他者と同じことを望み違うことを恐れるだけの生活の延長ではなく、その個性を生き甲斐として伸ばし、自分だけの豊かさによって周囲の人と幸福を分かち合うことの出来る人生を見いだす為のきっかけをつかむことが出来れば・・そして私達は共に暮らすことによって、自然な形で各々のお役に立たせて貰っている、という思いを分かち合うことが出来れば、それに勝る幸福はないと思います。"してやっている"という押しつけのエネルギーは受動的なプレッシャーしか生みません。人間は皆一人一人が多くの力に支えられていることを、物質的豊かさの飽和社会にいると分からなくなり、金銭の過多が力の源であると錯覚してしまっている一面があります。金銭なくして豊かさを得ることは出来ませんが、金銭が豊かさを提供しているのではなく、人間の個性が生み出す人生が金銭を上手に使って豊かさを分かち合っているような社会であれば、もう少し現代人の心は平安なのではないでしょうか?


 いやしの里では多くのお年寄りや若者が互いの悩みを分かち合い、また互いの力や経験を分かち合いながらそれぞれが"何かのお役に立たせて貰っている"というささやかな喜びを大切にしています。これからも大自然の豊かな力に支えられながら、そうした歩みを続けていきたいと思います。そして、何よりもこれまで多くの方に支えられて今日があることに深い感謝を抱きつつ、原点を大切に歩んでいきたいと思います。 これからも多くの皆様のご協力をよろしくお願い致します。


 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 喜びと感謝のうちに・・


代表 中村フミヨ   











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